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 そこで喉が張り付き、続くはずだった言葉は出口を失った。  口にしたら、この嫌な予感が現実になってしまうかもしれない。  急いで話を逸らし、引き返そうとした時だった。 「─お前も思った? 俺も、最近そんな気がしててさ」 「……」  俊輔の同意が耳に入って来ると同時に、見下ろした自分の手がきゅっと握りしめられた。 「実はさあ、俺、今日も二人に気を遣って先に帰って来たんだよね。 もしかしてジャマ? みたいな。 拓己も少しはその気なんじゃないかって、そんな気がしてて。 ……男同士だから分かるんだよな、何となく。 拓己の井上との接し方が、他とはちょっと違うって」 「……」  わたしの胸の奥で、何かがゆっくりと動いている。  決して美しくはない感情の渦のようなものが、心の中身を少しずつ巻き込みながら次第に大きくなっていく。
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