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 足元を見ながらしばらく歩いて行くと、砂の中に埋もれたきらりと光る何かが目に入った。  ─あ。  足を止め、拾い上げてみると、それはシジミのような形をした貝の欠片だった。  陽の光の下、虹色の光を放っている。  ─きれい……。  しばしその輝きに見とれてからふと顔を上げると、二人はずいぶん先まで進んでしまっていた。  わたしはショートパンツのポケットに貝殻を押し込むと、潮風に乱れた髪を気にしながら急いで後を追った。
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