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「俺だってお前の部屋のことはちゃんと考えてんの。 ……ほら、ここ」  そう言って、自分の部屋の隣に明らかに予定外の四角形を付け足していく。  波に打ち上げられたワカメが大量に落ちているスペースを囲み終え、満面の笑みを浮かべて、 「ほら、ここがお前の部屋。 いいじゃん、ワカメもあるし」 「……」 「ワカメがいっぱい、ワカメルーム」 「……やだっ。 ワカメなんかやだ、俊輔のイジワル!」  わたしが必死で抗議すると、間に立っていた拓己が吹き出し、声を上げて笑った。
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