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 交渉の結果、リビングを少し狭くしてもらって自分の部屋を確保したわたしは、拾ってきた小枝を使ってベッドやドレッサーを配置していた。 「亜優ー」  自分の部屋から俊輔がこちらに呼びかける。 「なあに?」  作業を続けながら応えると、少し間があってから、 「お前さー、海、好きになった?」 「え?」 「ほら、横須賀に来たばっかの時、海怖いって言ってただろ。 だから、ちょっとは好きになったのかなって。 一応、気になってさ」 「……」  わたしは振り返り、二人の背後に広がる光景を見渡した。
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