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─俊輔、疲れて寝ちゃったのかな。
レギュラーになったお祝い、渡したかったのにな……。
机の上には、きれいにラッピングされた靴紐が用意されていた。
今日、部活の帰りにスポーツ店に寄って買ったものだ。
─明日、学校で渡せばいいや。もうこのまま寝よう。
とりあえず電気だけ消して……。
起き上がろうとしているのに、逆に身体が重くなり、ベッドに沈んでいく。
靴紐を受け取った俊輔の喜ぶ顔を思い浮かべながら、いつの間にか、わたしは再び眠り込んでいた。
兄が真っ青な顔をして部屋に飛び込んで来たのは、その数分後のことだ。
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