第一咲

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「おい。キャプテン。皆、集めて。相澤先生に挨拶しろよ。」 坂口先生に言われ返事をしたキャプテンが部員に声をかけ、全員集まった。 『お疲れ。悪いな。あんまり顔出せなくて。来れる時には顔出すから、坂口先生の指導にしっかり従う様にな。記録の伸びも個人差があるみたいだから。この夏にしっかり練習する様にな。頑張れよ。』 全員が一斉に返事をする。 うんうん。いい子達だ。 ちなみに部活は陸上部。 俺も汗だくになって走ったなぁ。 俺もたまには顔出して走らねぇとな。 にぶっちまうな。 夏休みに少し走ろう。 『じゃあ、坂口先生。すいません。よろしくお願いします。お疲れ様です。』 「お疲れ様でした。」 部員に手を上げグランドを出た。 そのまま真っ直ぐ家に帰り、ひとまず風呂に入る。 待ち合わせは7時か。 まだもう少し時間あるな。 鞄の中から持ち帰った進路希望調査表とファイルを取り出す。 えーと。名簿順にしないとな。 今日の分を名簿順にファイルに入れ込んだ。 後何人だ? いち、にい、さん、………8人か。 高良は…まだだったな。 大丈夫かな。あいつ。 叔父さん夫婦と上手くやってんのかな。 面談の時にでも聞いてみっかな。 ファイルを閉じ鞄に戻した。 そろそろ出るか。 タバコと財布をズボンの後ろポケットに突っ込み家を出た。
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