前菜は手早く、丁寧に

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お昼時のピークを過ぎて暫く経ち営業時間が終了した。 辺りはもう真っ暗で時刻は夜の10時半を指していた ほかの従業員はもう帰宅しており、厨房には有羅と佐助と呼ばれていた青年が残っている。 「今日もお疲れ様でした有羅さん、平日といえどお昼時はやっぱり忙しいですね」 帰り支度をしながら佐助は有羅に話しかける 「おー今日はまた一段と人が多かったな、はじめてくるお客さんも何組かいたしまた来てくれるといいが」 有羅はあしたの仕込みをしているようで明日は豚カツとエビフライの様だ 「そうですね、また明日頑張りましょう!お疲れ様でした!お先に失礼します!」 「おー、お疲れ~また明日~」 厨房は一人になり、仕込みも終わったみたいで有羅も帰り支度をする 「ガスの元栓締めたし、冷蔵庫も空いてねぇ、金庫も閉めたっと、よし帰るか」 人差し指で鍵をくるくる回し店の勝手口に鍵を掛けセキュリティシステムを作動させて家へと向かう。 外は真っ暗で街頭が無かったら歩けないだろう。 月と星は今日もきれいに輝いている 家はそんなに遠くないためいつも歩いて帰っているが今日は一段と星が綺麗なように見える。 「やっぱり田舎は落ち着いていいや」 綺麗な空をみながら田んぼのあぜ道を通り帰る有羅 足元に黒い渦が蠢いていることに気づかず... 「なんだ!?うわっ!」 黒い渦は有羅を飲み込み、そして何事も無かったかのように消えた。
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