0人が本棚に入れています
本棚に追加
そして砂は入口の中にまで入ってはいなかった
異常だ
それは全員の共通見解だった
現地人をして「また王の呪いが!」などとツタンカーメンの呪いと言われた現象の再来を危惧していた
だが俺にとって異常なその現象も、その先にある物への好奇心によって無視した
なにより匂いがするのだ
極上のお宝の匂いが
拝火教・アヴェスターの1ページの切れ端(読めない)
聖母マリアの聖骸布(色褪せたボロキレ)
イェス・キリストを貫いたロンギヌスの槍(破片)
これらが俺のお宝だ
・・・まぁその宝以外に、金塊やら宝石等のお宝を全部オークションで売り捌いた巨万の財産もあるが
古い知人達は俺の宝の事を「ガラクタ」だと称するが、俺の直感が本物だと告げている
だから御利益があると信じていつも持ち歩いている
その袋の中からタロットカードを取り出す
昔、イギリスの占い師の婆さんから貰った物だ
魔女狩りやってた国で占い師ってのもどうかと思ったが、そのタロットカードからお宝の匂いがしたのだ
それからというもの、どうするべきか迷った時には、簡単な占いをしてからすることを決めるのが習慣になっている
最初のコメントを投稿しよう!