0.ぷろろうぐ

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ここは某県某市にある町、雄拓町(ゆうたくちょう)。決してオタク町と読んではいけない。 この町の外れにある廃工場で、二つの人影が対峙していた。 「このクソガキィ…よくも俺をコケにしてくれたなぁ…!」 一方はいかにもヤンキーといった風貌の男だった。手に持った鉄パイプをブンブンと振り回して、柄の悪そうな目つきをさらに悪くして目の前の人物を睨みつけている。 「元はといえば君の自爆だろ?私に責任を押し付けられても困るんだが。」 睨みつけられている方は、華奢な身体に肩まで伸びた銀髪、極めつけには美少女と見間違わんばかりの美貌をもつ少年だった。ドスの効いたヤンキーの声にも、飄々とした態度でいる。 「その…飄々とした態度が気に入らねぇんだよおおおお!!」 その態度に逆上したのか、ヤンキーは鉄パイプを振り上げて、少年に襲い掛かった。 少年はやれやれ、といった感じに首を振って、手に持った木刀を構えた。
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