1.露某緒汰学園にようこそ

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「さて、ここが『露某緒汰学園』の本館だ。」 一番高いビルの前で、壬生乃先輩が言った。改めてみてみるとやっぱデカイ。300メートルぐらいあるんじゃないかなこりゃ。 「驚いたか?まあ、じきに慣れるさ。…中に比べればな(ボソッ)」 「えっ?」 「いや、何でもない、忘れてくれ。」 壬生乃先輩が何か言ったような気がしたが、気のせいだろうか…?いや、気にしない方がいいな。なんかヤバそうなことっぽいし。壬生乃先輩怖いし。美人だけど。 「…ところで君…ええと」 「す、鈴木御船ッス。」 「ああ、ありがとう。じゃあ鈴木君。君は『入試』の結果、どうだった?」 入試?ああ、この学園の転入試験ね。何か変な棒握らされただけで筆記試験は一つもなかったな…。 「結果?後で学生証とかが郵送されてきたってことは合格ってことじゃないんですか?」 「…そう…か。(『自覚無し』…珍しいな。普通ここにくるヤツといえば『力』を自覚してるヤツだというのに…。)…なあ、鈴木君。なんでこの学園に転校してきたんだ?」 「え?…いやぁ、前の学校…『賢高校(かしここうこう)』で落ちこぼれちゃって…担任だったクソ教師にやめろって言われたり、授業中も無視されたりとか、とにかくそいつ陰湿なヤローだったんでカッとなってぶん殴ったら…退学にはならなかったんスけど、同じく全寮制だったこの学校に行けって…。」 やべ、あの時のこと思い出すと笑いが出てくる。あの豚教師ぶん殴った時『ピギィッ!?』ってマジで豚みたいな声出したんだよな~。あれは笑った。
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