プロローグ

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──私は、ファンタジーが好きだ。 魔法を使って悪い奴を懲らしめたり、魔物を退治したり。 もし魔法が使えたなら、私も今の現状になんか甘んじてはいないのに。 まぁ、実際自分が魔法を使えるだとか本気で思えるほど、夢見がちなわけでもない。 どちらかといえばリアリストな部類に入るだろう。 妄想は、私が自身を抑え付けるための一種のストレス解消法で、18歳にもなって中二病とやらを患っている私の趣味みたいなものだ。 ──もしも、私が魔法を使えたなら。 私のクラスの連中を懲らしめてやって、許しを請わせる。 今まで私にしてきた仕打ちをすべて仕返して、そして見下して笑ってやるのだ。 もし、そうできたら、どんなにか気持ちいいだろう。
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