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『飛鳥よ、冷蔵庫に作り置きしていたものが入っていると言ったな?』
“コインの裏側”に居る俺に話し掛け、それに応じる。
今更だけど、本当に不思議な感覚がする。
ぼんやりとした白い空間に戌神さんの声が響いた。
『ふむ。一体何が入っているのか......』
あと、空間に浮かぶ薄型テレビ(のようなもの)に、戌神さんのビジョンが映し出されている。
某ロボットに乗り込んだ気分だ。
まぁ、操縦しているのは戌神さんだけど。
そんな感じで、比較的新しい冷蔵庫を開けた戌神さんは、作り置きしていた野菜炒めを見つめている。
「それ、飛鳥の分だけど食べてもいいからな」
『分かっておる。さて、電子レンジとやらで温めるらしいが......』
味覚を共有しているはずだから、多分食べたことになるけど......やっぱり不思議だ。
自分が“裏側”に居ると、戌神さんの影響を受けてないのか、非現実的なことを不思議に思う。
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