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「ったく、すばしっこいガキだな......」
先程、子供の顔面を捕らえたはずであったが、煙のように姿を消しながら月影を翻弄していた。
姿を現すまで完全に気配を消しているため、全く予測が出来ない。
苦戦を強いられている月影は、子供に読まれないように、“とっておき”を使おうかと考え始めていた。
『つまんないなぁ......もっと遊んでよ』
「誰が遊んでやるって言ったんだよ!?」
調子に乗るなよクソガキ、と呟き右手の人差し指と中指を立て揃えた。
それはまさしく忍術を使おうとしている様であった。
『やっと本気出したの? 忍者さん。いつまで遊べるのかなぁ』
子供は終始笑顔を浮かべ、愉しそうに月影を見つめる。
今直ぐに飛鳥の魂を喰らいたいが、守護霊もなかなか美味いと聞いたことがあり、迷っている最中であった。
しかし、迷っている時間は無いと悟った子供は目標を変えた。
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