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「ーーーー待て! 月影!」
背後から響く声が聞こえ、月影は
子供を喰らう寸前にさらりと右に避けた。
不満そうに見つめる先には、少々怒り気味の白蓮と驚愕で目を見開く飛鳥の姿が居た。
「お、お前っ、飛鳥を見てろって言っただろ!」
「どうも可笑しな気がして急いでみれば......また違反ですか? 守護霊として失格ですよ?」
白蓮に責め立てられる月影は伏せをし、ごめんなさいと言わんばかりに頭を下げている。
本当に月影さんなのか? と、不安に思った飛鳥だが、すっかり怯えている子供に気付き、傍に近寄った。
「魂を喰われるって怖いだろ? 奈落だか何だか知らないけど、黙って言うこと聞いて、居るべき所に帰るんだぞ?」
自分の魂を喰おうとした子供だけど、やっぱり子供らしい一面もあるから、根っから悪い奴じゃない。
そう思った飛鳥は、震える子供の頭を撫でようとした。
ーーパチンッ。
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