小さな異変

2/10

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
 “12:10”  スマホに映し出された文字にはそう書いてあった。  視界に見慣れた白い天井が入る。  あの子供の幽霊が闇に消えてしまった後、俺は意識を失ったらしい。  白蓮さんが言うには、強い障気の影響で......ということだ。  流石に守護霊の二人も顔色が悪そうだった。  大丈夫だろうかと心配になる。  ぼんやり天井を見ていたら、ガチャッとドアを開ける音がした。 「飛鳥! 飯!」 「月影さん......冷蔵庫の中に作りおきしてたものがあるはずなので、それ食べててください」 「お前は食べないのか? 犬っころが障気食ったから、もう動けるはずじゃねぇか?」  だからそんなにダルくないのか。戌神さん、ありがとうございます。  取り敢えず、飯食べろよ!とそこまで部屋に留まらなかった月影さんの背中を見送った。  ダルくは無いけれど、腹は減っていない。  どうしたものか......。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加