小さな異変

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 “飛鳥......聞こえるか、飛鳥よ”  ふいに脳内で響く声が聞こえた。  姿は見えないけれど、確かに俺の中に居る存在。 「どうしたんですか? ーー戌神さん」  “腹は減らぬか?” 「全く」  “ふむ......”  何となく、考え込む戌神さん(擬人化)が思い浮かぶ。  戌神っていうくらいだから、犬の姿をしてると思うけど、擬人化って良いじゃないか。  “貴様が想像している姿は何だ? 私はそのようなものではない” 「あ......すみません」  “取り敢えずだ、人間が食う食べ物に興味がある” 「えっと......どうやって食べるんです?」  長年培われた勘というか、小説の影響を受けすぎたのか、俺は答えを察していた。  “入れ替わるに決まっているだろう?”
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