売ってしまえる物

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(思い出も売ってしまえるほど冷めてしまったのか?) 柾生の頭の中であの日の薄紫色のネックレスがゆらゆらと揺れていた。 その残像になまめかしく潤んだ瞳で見つめる莉乃が重なって見えた。 そういえば最近、目にすることはなかった。いつだったか柾生自身が持つペアの方を目にした時に話題にしたことがあった。 「あるよ。してないだけ。」 そう言ってなかったか?
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