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「えっ?」
梨央が愛美の言ったことに反応してほとんどギョッとしたような顔で言った。
「本当に?いつよ?」
声をひそめつつ梨央は大きく開けた口元に手を当てている。目は驚きに見開かれていた。
「いつだっていいじゃないですか。別に。私、いいですよ。最悪荻野さんでも。」
「最悪って……マジで?それって……」
愛美は梨央の反応が不服だと言わんばかりにふくれっ面をしてみせた。
「え~だって……荻野さんでしょう?」
梨央は言いよどんでいる。莉乃には梨央の言いたいことがわかった。おそらく愛美も何を言われるのかわかるのだろう。
「本当に?お得意の妄想じゃないの?」
梨央はタブーを聞いてしまったかのように話を受け入れるのを拒否してるかに見えた。
上の空だった莉乃には二人の話がよく飲み込みなかった。
「私も朝目が覚めた瞬間は夢かと思いましたけど夢じゃなかった。」
「朝、ね……それはつまりお泊まりってことかな?」
「はい。」
「つまりはそういうことしちゃったってことだよね?」
「はい。そうですね。しちゃいました。流れで。」
愛美は全然悪びれる様子もなく言ってのけた。
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