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莉乃はつくづく馬鹿馬鹿しくなって食べ終えたトレイを持って席を立ち上がった。
他の二人も莉乃に続いて立ち上がろうとした。
荻野が莉乃のところにまっすぐやってきて空いた片手で莉乃の手に触れようとした。莉乃はさっと体をかわしてよけた。
「なんだ。せっかく会えたのにもう行っちゃうの?この俺に対してちょっとつれなくない?」
唾を吐いてやりたい気分だった。
(つれない?つれないだって?つれないっていうのは気がある同士で使う言葉だろうが!ばーか!)
莉乃はこらえて心の中で毒を吐いた。
「ここ空きますからどうぞ。彼女、この間のがすごく良かったから病みつきだって言ってますよ。邪魔者は消えます。マナはまだいるでしょ。お先に。行こう。磯谷さん。」
梨央は呆気に取られていた。莉乃は焦った様子の荻野には目もくれずトレイを片付けに向かった。
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