凍える夜に

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「こんな感じで。どうでしょう?」 顔に付いた毛をティッシュで取り、合わせ鏡で後ろのスタイルの確認をしながら門倉は言った。 「ありがとう。イメージ通りだわ。」 真理沙は満足げに微笑んだ。最初は通りがかりに入った店だがこの門倉という美容師の腕は間違いない。カットしてもらう度にそう確信した。 細かく説明しなくても真理沙のイメージした通りの仕上がりになる。技術は無論のこと、そういったセンスがいいのだ。 「イメージ通り。良かった。俺に取ってもイメージ通りに仕上がってます。きれいだからなぁ。」 門倉はまたいつもの台詞を言った。 メイク直しのサービスが済んで会計をしていると門倉が言った。 「何時頃までいらっしゃいます?片付いたら俺も行こうかな。まだ時間読めないしわかんないですけど。お邪魔じゃありませんか?」 「私は構いませんけど。多分連れも大歓迎じゃないかしら?門倉さんみたいな男性なら喜びそう。」 真理沙はちょっと考えてから答えた。 「じゃなるべく行くようにしますね。無理なら連絡します。」 「はい。じゃあ一応後でってことで。」 奈央は年下好き、イケメン好きだったから本当に喜びそうだった。迷惑がることはないだろう。
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