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カウンターのほかは座敷席がいくつかある程度のこじんまりした店だった。
入って行くまでは勇気がいるものだったがすぐに店のゆったりした雰囲気に和まされた。
内装は和洋折衷と言うかアジアンテイストとでもいうか、落ち着いた焦げ茶を基調にしているが暗すぎることもない。
「なかなかいい感じの店だね。」
席につくと奈央が言った。
「そうだね。入る前はちょっと気後れしたけど。いいって聞いてたから。で、何飲む?」
真理沙と奈央は最初ビールにしてお通しのワケギのぬたをつまみながらメニューを選んだ。
「乾杯。」
軽くグラスを合わせる。飲みながら食事の注文をしていった。
店の主は気がおけない感じがするのにやたらと前に出てくること無く押し付けがましさを感じさせない雰囲気。
料理は無論、店内の装飾品であったり傍らに配置された季節の植物だったり、さりげない配慮が感じられた。
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