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『どこにいるの?』
香織からメールが来ていた。着信も何回かあった。
和志はそのままスマホをしまった。もう少し後でいい。もう少し気持ちの整理がついてからでも遅すぎではないだろう。
それくらいしたってばちは当たらないだろう。香織は気を揉めばいい。
俺だって……苦しんでいるんだ。
(初めからわかっていたじゃないか?
わかっていて、それでも香織のそばにいようと決めたんじゃなかったのか?)
和志は自問自答した。
今までに何回くらいこうして自問自答したことだろう?
(もうそろそろ終わりにしないか?)
そう自身に問いかけて見る。
まだ答えを出せない。
この旅が終わる時までに答えは出せるだろうか?
和志にはまだわからなかった。
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