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講義の終了時刻を告げるブザーが鳴り終わり答案用紙を提出して席に戻った。
早い者はそそくさと荷物を片付け部屋を出て行き始めている。
和志は席に戻るとその長い腕を思い切り伸ばして大きく伸びをした。
ふと視線をずらすと一列前の席に座る女の子がまったく同じ動作をしていた。
次の決定的な瞬間……
その女の子はストレッチをするみたいに腕を心持ち斜め上に上げた姿勢のまま後方にいる和志の方を振り返って向いた。
目が合った。
二人ともほとんど同じような動作の途中で。
女の子は一瞬バツが悪そうに笑ってからさらに大きく伸びをして、和志に向かって今度は完璧な笑顔を向けた。
「終わったね!」
和志は伸びの姿勢のまま固まった。
馬鹿みたいに腕を伸ばしたままその子の笑顔に見とれ頷いた。
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