夏のはじまり

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宝くじで大金を当てたらこんな気分なのだろうか? キャンパスを並んで歩きながら和志は我が身に降ってきた幸運を信じていいものか、ぬか喜びではないかと何度も考えたりして上の空だった。 お互いに名前も知らない同士だったから自己紹介をしあった。 「私は永田香織。よろしくね。」 香織は和志の方を向いてニコッと笑った。可愛すぎてどうしていいかわからなかった。胸に強烈な空気砲のパンチを受けたみたいだった。 ヴィーナス。アフロディーテ。 それが現身になって目の前に降臨してきたのか?目の前のこの魅惑的な女の子はその化身か。 すれ違う男達が香織にのぼせるような視線を向けた。 和志は香織と並んで歩きながら香織の魅力の前で自分が圧倒されほとんど無力になっていくような気がしていた。
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