第1話

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繁栄の時、黄金の実り季節の先には必ず冬が訪れる。 延々と続く繁栄なんて無い。 彼は日々の日常を懐疑的に捉えて生活していた。 そんな紫園にとって唯一の楽しみとなっているのが、 幼馴染みの同級生の夏未(なつみ)と ブラック・チェリーズ・カフェで夕食を食べることであった。 「どうしたの?さっきからずっと窓みて。」 紫園の顔をマジマジと見つめながら夏未が話しかけた。 「ああ。特に話すネタないから外の方見てた。」 あっさりと紫園は答えた。 「本当にいつでもシオンはそっけない奴なんだから」
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