第1話

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「和哉か。高校の卒業式を最後に会わなくなったな。 あいつは俺たちに先のことを何も言わずに姿を消した。 大学進んでからもちょくちょくやつの携帯に電話しても 結局連絡がつかなかった。 あいつ、今どこでなにやってるんだろうな。 まったく、連絡ぐらいくれればいいのに。」 本音を言う紫園。 社会人になってからは一切、和哉とはコンタクトを取ろうとは しなかった。 仕事に没頭するあまり和哉のことは頭にはいっていなかった。 紫園たちと遊んでいた割には学業優秀で ハンサムの彼のことだから国営企業とかで 順調に働いているに違いない。 その程度にしか思っていなかった。
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