第1話

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「いや、べつにいいさ。 そうだ、ちょっとまってくれ、 今日はもう一人おまえの声を聞きたいやつがいるんだ」 紫園は夏未に携帯端末を手渡す。 本当なのかと目で合図を送るナツミ。うなずくカオル。 「もしもし、カズヤ君?」 「久しぶりだね、ナツミ。 ふたりで仲良くしてたか?」 「今どこにいるの?  シオンとふたりで心配してたんだよ!」 「まあ仕事柄僕には守秘義務というのがあるので、 詳しいことははなせないんだけど、 強いて言えば国家公務員といったところかな?」
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