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夏未は紫園に携帯端末を渡した。
紫園は左手にスプーンを持ち右手に携帯を手にする。
「もしもし、カズヤか?
俺たちこれからメシだからまた後で電話するわ」
「ふたりで食事か。
いいね、楽しそうで。
僕もできれば早いところ仕事終わらせて、食事でもしたいね」
「こんな時間でも仕事いそがしいのか?」
「役所の仕事は遅くてね。
どんなに早く文書を作って上司へお伺いたてても
決裁が降りるのが遅くてね。
こっちとしては、アフターファイブ以降は
働きたくないけどしかたないんだよね」
和哉は他人事のように話す。
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