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「友達だってなんだっていいじゃん。そんなかっこいい人とデート出来るんだから。」
姉は自分のことのように舞い上がっていた。私だって姉の立場で成沢を見たら羨ましくて仕方ないだろう。
「チャンスは掴まないと。私みたいに婚活地獄の日々よ。」
姉はさも大変だというような言い方をしているけれど結構余裕で楽しんでいるように傍からは見える。
「お姉ちゃんだって結構楽しんでるみたいじゃん?」
私は言った。
「まあね。でもなんか違うんだよなぁ。これっていうのがいないっていうか。」
姉は缶チューハイを一口飲んで言った。
「高望みしすぎなんじゃないの?」
私はニヤニヤしながら言った。
「うわ、何それ?何その上から目線。ちょっと自分がイケメンゲットしてるからってその余裕発言てどうよ!キーッ!」
姉はキュウリの糠づけを口にほうり込んだ。
「だってお姉ちゃんだってちょこちょこデートしてるじゃん。」
「まあね。でもなんていうのかなぁ。なんかねー。ピンと来ないっていうのかなぁ。」
「欲張りなんじゃないの?」
私が言うと姉に軽く睨まれた。
「欲張ってるんじゃないの!一度くらい魂を奪われるような恋ってしたくない?」
「一度くらいって今までだっていつもいつも魂奪われてきたじゃん。」
私が正確に指摘すると姉はさっきより恐い顔で私を睨んだ。
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