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「あけましておめでとう」
「始まっちゃったね」
そんなことを言い合いながら仕事が始まった。帰省をした人はデスクをまわってお土産のお菓子を配っていた。
全体朝礼が終わったのでみんなぞろぞろと自席に戻りはじめた。
「課内朝礼やるから集まって。」
一番後ろのあたりでのろのろと友達と雑談しながら歩いていた私は課長の声に慌てて戻った。
簡単な年頭の挨拶の後で課長は業務連絡をいくつかしていった。
「それから…年始、始まったばかりですが来上のこともぼちぼち念頭において準備しておかないといけないわけで…」
課長の話は格別長いというわけではなかったけれど黙って聞くということ自体に飽きてきた。
「今年度も重点項目になっているウエディングですが恐らく来年度についてもその基本方針については全社的に継続する見通しかと思います。」
課長は私たち部下の顔を見渡しながら続けた。
「まだ具体的なアウトラインは決まっておりませんが来年度の商品発表会の時にウエディングについて一部時間を割いてご案内するということを考えています。」
「それに伴いまして部や課の連携をはかっていこうという方針の元に部、課をまたいだ選任のウエディングチームを結成しようということになりました。」
課長と目が合った。嫌な予感がした。
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