21.ご褒美

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「やっと終わった。」 その日の夜、夕食と入浴を済ませてから勇輝に電話した。勇輝も帰宅しているとのことだった。 「お疲れ様。終わってよかったね。」 「うん。」 「ご褒美は何がいい?」 「うーん?」 とっさに浮かばなかった。 「お姫様抱っこ?ハグ?」 「何言っちゃってんの?」 「俺みたいなイケメンプリンスがお姫様抱っこしたら優もプリンセスだろ?」 「また出た。ナルシスト発言。」 そんな憎まれ口をたたきつつも声を聞いていたら勇輝に会ってハグして欲しくなってくる。 付き合い出してから何回も勇輝の腕に包まれて胸に顔を埋めたけれどその度にまだドキドキした。 ドキドキしているのに同時に包まれるなんとも言えない安心感。瞬間、勇輝に無性に会いたくなった。 「会いたい。」 「俺も。今から来る?」 「今から?」 既に22時を回っていた。一人暮らしならともかく家族がいるのだ。 「コンビニ行くとか言って出てこいよ。下まで行くから。」 「だって私お風呂入っちゃったしすっぴん…」 「湯上がりか。いいねぇ。そそられる。」 「えー本当に下まで来るの?」 「ちょっと会うだけ。いいじゃん。今から優のとこの下に行くから。」 「 うん。わかった。」 なんだかんだ言いつつ私の方もまんざらではないのだ。
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