27.二股

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(勇輝…) 誤解を解きたかった。安藤さんとはなんでもないことをわかって欲しかった。 (本当になんでもないの…安藤さんとは…安藤さんは…) 本当はなんでもないわけではない。そんなのは嘘だ。タンタラスの夜景とカイマナビーチでのキスが甦る。 (安藤さんに告白されたけれど私の心にいるのは勇輝なんだから。) この時は本当にそう信じていた。確かに私に隙があってよそ見をしてしまったけれど私さえしっかりすれば揺らぐことはない。 そう信じていた。
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