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「うわぁ。素敵。」
「いいのか?ありがとう。」
父と母にお土産を渡して少し話をした。
「楽しかった?」
「楽しいって仕事だし。疲れたよ。」
「いいわねぇ。ハワイ。ずっと行ってないわね。」
母の心はすでにワイキキに飛んでしまったみたいだ。
「パパと二人で行ってくれば?」
土産物をあれこれいじりながら私は言った。
「嫌よ。そんなの。娘と行くわ。」
「そうだ!お姉ちゃんがハワイで挙式すればいいんじゃない?」
「あら!いいじゃない、それ。それいいわね。」
母はすっかりその気になっている。
「今回はウエディングの研修だったからチャペルもいろいろ見てきたよ。」
「あなただっていいのよ。お姉ちゃんじゃなくても。ハワイで式をあげたらいいじゃない。その時に行くわ。ああ楽しみが出来たわぁ。」
「お姉ちゃんはともかく。私はまだ結婚なんて考えてないから。」
「あら。あなただってそろそろじゃない。彼いいじゃない?」
私は聞こえないふりをした。今その話題は避けたかった。まして父親の前ではなおさら。
「なんか食べる?うどんかお蕎麦でも作ってあげようか?それともお茶漬けかなんかにする?」
「うーん。じゃお茶漬け。ちょっとだけ食べようかな。」
お茶漬けを軽く一杯食べたらものすごく眠くなってきた。そのまま食卓でうつらうつらしてしまった。
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