27.二股

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深呼吸して勇輝にかけた。留守電に切り替わったので切ってもう一度かける。 また留守電になったのでメッセージを残した。 「ごめんね。でも会いたい。会って話がしたい。こんなの嫌…今日行っていいですか?」 …… 「もしもし…」 勇輝の低い声が答えた。 「勇輝…」 勇輝は何も答えてくれない。 「勇輝ごめんね。」 沈黙。 「勇輝?」 「何だよ。」 「会いたいの。」 何を言っても勇輝の心に届かないような気がして胸が張り裂けそうになった。 「会いたいの。お願い。会いたい。」 私は泣き出した。涙が止まらなかった。もう話していられなくなったので泣きながら電話を切った。 結局勇輝は何も答えてくれなかった。 でもこのままじっと堪えて過ごすなんてできなかった。苦しくてどうしようもなかったから。 追い返されてもいいから会いに行こうと思った。
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