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くだらない授業。
むしろ世界事態がくだらないと思った。
この世界には白と黒の二択しかない。
まぁ、白なんてほんの一握りだけど。
「見てみろ、夜月は必死にノート取ってるぞ?」
つまらない授業にくだらない会話。
どうせまたどっかの馬鹿が携帯してたんでしょ。
教師が私に話を振ってくる。
平常点で点数を稼がなければ私はやばい。
頭が良いわけではないから。
かといって、無駄な努力もしたくない。
「いや、私は平常点ないとまずいので…」
とりあえず満面の笑みを浮かべてみる。
因みに一生懸命書くのは
私が大好きなバンドへのファンレター。
ノートの下にこっそりと忍ばせて
時々黒板を見てみればカモフラージュ完了。
これくらいで騙せるんだから単純だ。
真面目、成績悪い努力家
そんな称号を貰う人生。
世の中は騙し合いだ。
放課になって人混みから離れる。
行く先は決まってる。
屋上。
みんなの絶好のサボり場所だけど、
休み時間はあんまり人が来ない。
そう、あんまり。
「私にはまだ…貴方が必要だけど…」
私の大好きな曲を口遊んでみる。
大切な人を失った女性をイメージした歌。
闇で生きている私には
ぴったりの歌詞で、代弁してくれてるみたいで。
その曲を聞いてると、涙が溢れてくる。
そんな時だ。
「学校にウォークマンの持ち込みは禁止!」
突然聞こえてきた声に思わず肩が跳ねる。
とりあえず声を聞くために方耳のイヤホンを外して
嫌々見てみると、そこにいる人には見覚えがあった。
「せ、生徒会長…」
私の邪魔をしてきたのは有名人だった。
真面目で頑張り屋なリーダー、魅威生徒会長。
はっきり言ってしまえば私と真逆に思えるタイプ。
「それ早くしまって、っていうかしまえ?」
「ご、ごめんなさい!
私、人間は嫌いなんです!」
「…は?」
やっば、隠せてない。
油断しすぎてたせいで優等生の仮面は外れてた。
先輩めっちゃ目が点になってるよ。
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