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「うわっ、なんかここボコられそうな気がする!」
「失礼な!ボコるなら相手考えます!
生徒会長やったら自分に損しかないでしょ!」
素の魅威先輩の言葉に思わず突っ込む。
そりゃそうだよ。びっくりしたもん。
なんなんだろう…悪い癖だ。
私は、この人に、懐いたかもしれない。
「本当にいいの?私とつるんで。
私は暗いし気分屋だし、性格悪いよ?」
「大丈夫!私は世界で一番美しい…!
とか、自意識過剰な子が苦手なだけだから。」
「それ、人よすぎでしょ…」
「そうかな?別にそうは思わないけど。」
あっさりと言われた。
一言一言交わす度に思い知らされる。
ああ、まずい。
もう誰もシャッターの中に入れないつもりなのに。
ついつい開けてしまう。
「じゃあ改めて…よろしくね、魅威先輩。」
「先輩だなんてそんな…泣いちゃうよ?」
「泣くなうざい。」
「うざいとか酷いし!いや、確かにフレンドリーは嬉しいけど
嬉しいけど…それはなんか違う!」
「うるさい。」
ぎゃーぎゃー騒ぐ先輩を一言でぶち切る。
ころころ変わる表情は楽しくて楽しくて。
どうしましょ、苛めたくなる。
「ま、改めて…魅威ちゃん。むしろみーちゃん?」
「ふぅちゃぁぁああん!」
「ぎゃあ!」
いきなりの包容に動揺が走る。
フレンドリー、これも違うだろ、お馬鹿。
この人が私に色をくれた。
白と黒で分けられないお馬鹿。
そして、この人のお陰で私は
今更ながらに友達が増えていくことになる。
さ。
騒がしい学園生活の始まりだ。
-Fan-
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