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ちらりと琉生を見上げると、さっきまでの熱い瞳とは違ってやさしいそれと視線が重なる。
「彩未……俺には彩未しかいねーんだ。だから、ずっと俺の傍にいてくれよ」
さっきまでとは正反対に、眉を下げながらやさしくそう言ってきた琉生に胸がきゅっと締め付けられる。
「……わたしも、ずっと琉生の傍にいたい」
真っ直ぐに気持ちを伝えてくる琉生にはもう嘘はつけなくて、心の中にある想いを口にした。
その瞬間、琉生はわたしにちゅっと触れるだけのキスを落として、ぎゅっと抱き締めた。
琉生の背中越しにクリスマスツリーの飾りがキラキラと輝いているのが見えて、今日はクリスマスイヴだということに気づく。
恋人たちの最大のイベントとも言える日に想いが通じるなんて、凄く嬉しいなぁ。
そんなことを思いながら、琉生の背中に回した腕にぎゅっと力を込めた。
長い長い片想いに終止符を打って新しい恋を始めたつもりが、いつの間にかその想いは琉生に届き綺麗に重なっていた。
芸能人の琉生と付き合うなんて想像もできないほどに大変だろうけれど、琉生も同じ想いでいてくれているってだけで幸せな気持ちになれる。
ずっとずっとこの想いを大切にしたい。
「Christmas love」fin.
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