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だけど、何が『どうした?』なの?
どうしてそんなに爽やかな笑みを浮かべていられるの?
女の人と会ってきたんでしょ?
わたしはどん底に突き落とされたかのように深く深く傷付いているのに。
そんなわたしの様子にも気付かずに、琉生はわたしの頬にそっと手を添えて自分の方へ向かせようとする。
だけど、そんなことされたら今のわたしの不機嫌な顔が琉生に晒されてしまう。
それを防ぐために、首から上に力を入れてそれを阻止しようとしていると、
「あーみ」
そう言って、今度は後ろからぎゅっと抱き締めてきた。
「……っ!」
その瞬間わたしの心臓は、どきんっ、と大きく音をたてた。
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