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その昔、世界が生まれる刻………
神が存在した。
そう、神はただ存在した。
何もない空間で、ただただ存在していた。
ある……………疑問が浮かんだ。
"自分は何だ?この世界は何だ?"
神は世界について疑問を抱き始めた。
全ての理について。己について。
そう。
神を突き動かすもの、それは疑問であった。
故に神は人を作り出した。
この世の理を見極めるために。
いや、もし"人"という存在をコミュニティーや社会性という言葉とともに定義するならば、正確ではない。
人の基となりうる生き物を創ったにすぎない。
欲を基盤とした行動、本能に従った生き様。
だが、それらの生き物はすぐに人としての片鱗を見せ始めた。少しずつだがコミュニティーが形成され、それは集団、そして社会とまで言えるものまでに発展した。
神として、目を見張るものであった。
人は、それ単体では成り立たず、常に社会を持つことで存在できる生き物である。いや、それは人のみに言えることではない。それ以外の生き物においても、少なからずのそれは存在する。
では………私とは何か?
そうか私は"生きて"いないのだ。
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