第7章 天使と悪魔

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「さて。今日の所はこれくらいにしましょう。 今日いくら考えたってどうしようもないこともあります」 「まさに一寸先は"闇"………だしな?」 ミカエルが場を取りまとめた所で、大和が茶々を入れた。 たまに大和は上手い事を言う。 「さて、ところで………。 何故あなた方は手を繋いでいるんですか」 ………突然だった。空と静風で繋がれている手を睨み付けながら、ミカエルは電撃の如くその一言を放った。 そしてそれは、いとも簡単に、静風の弾薬庫に引火した。 氷が張り詰めたような凍えた空気から、火花が飛び交う戦場のそれへと一変する。 空の危機感知能力が激しく警鐘を鳴らしている事に加えて、大和を手前にした純粋な恥ずかしさから、空は慌てて手を離そうとした。 しかしそれを空でさえ振りほどけない程の腕力で静風が引き戻す。 「いや!この手はうわっ、しずむぐっ 「何故ってミカエルさん?私と空は家族ですもの。 これくらいのスキンシップは当たり前でしてよ? そもそもミカエルさん、貴女は空の使い魔ではありませんこと?主に意見する立場にないのではないですか?」 空は静風に引き寄せられた胸の中でモゴモゴと足掻くが、静風相手に手荒な手段にも出ることができずにいた。 後頭部の方向で誰かが(恐らくミカエルが)立ち上がる音と、誰かの(恐らく大和の)ため息が聞こえる。 「今すぐ、空様から離れなさい!無礼ですよ! それに私は使い魔ではありません!空様との共闘を誓った、正式なパートナーです! たった今、空様の生命の危機を感じました!空様が窒息死する可能性があります!今すぐその手を離さなければ………」 「ふーん。今すぐこの手を離さなければ? どうするの?空の唯一の家族のこの私に?ねぇ空?私達家族のスキンシップを邪魔するなんて、酷いことをする人がいるものね。そう思わない?」 「くっ………卑怯な………!」 「俺は帰るぜー。せっかく明日休みなんだ。 帰ってたらふく寝よー」 この世の命運のため、必要な事とはいえ………。 この二人を会わせたのは間違いかもしれない。 それから小一時間続いた言い合いを経て、そう思わずにはいられない空であった。
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