命大事に

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――私は、いつだって自身の持つ全てを捨てる覚悟は出来ている。国を…、王を守る為ならば。私は。 (…命さえも、捨てれる) そう思っていた。大切な者たちを守れるなら私なんかの命、いらないって。だけど、違った。 ふと、空を見ていた私は考えていた事を口に出してたみたいで、通りかがった少年はこちらを見ては怒った表情をしていた。 「そんな簡単に命捨てれるとか言うんじゃねぇよ!!」 「……え」 「せっかく生まれてきたんだ、生きろ。守りたい人を守りたいなら、生きて守れ!死んだら守れるもんも守れないだろ!!」 「…あ……本当だ…」 守りたい者を庇って、そのまま置いていったら、その後は? ……生きて、守らなきゃ。
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