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就職の事を思いつめているだけに他のことが思いつかない。真剣に考えているうちに良平はバカバカしくなってきた。この双子の老婆が言うことを真に受けるのがそもそも間違いなのだ。
そして、このバカバカしい状況にうってつけのバカバカしい願い事を思いつき、ニタリと笑った。
「それだったら、僕はあの、DG55のゆみみんが飼ってる、ゴールデンレトリバーのロビンになりたい」
「DG55? ゴールデンレトリバー? 犬になりたいと仰る? それはまた、随分面妖な願い事ですのね」
「そうそう。犬になりたいなんて願い事ははじめてなんですの」
「できないって事?」
「できますとも。けれど何も犬になる事ないじゃあございませんか」
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