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「僕の人生なんて、今まで人並みだったためしがないんだ。ゆみみんの犬
毎日ゆみみんにご飯貰って服まで着せて貰って、散歩に連れてってもらえる。僕は何をしたって上手くいかないダメ人間だ。大学を卒業したとしても定職につくことさえ出来そうにない。ゆみみんの犬になる方がよっぽど幸せだよ」
それにもしかしたらあの犬は清純派アイドルゆみみんのバター犬かもしれない。
まあ、そうじゃなくとも至れり尽くせりな上、ゆみみんの顔中をべろべろ舐めたりはできるはずだ。
良平は自分が犬になった姿を想像してにんまりとした。
「ね、出来るの? 出来ないの?」
スカーレットとターコイズブルーは今度は微笑むことなく、顔を見合わせて、同時に同じ方向に首を傾げた。
あれでは鏡を見ている気分になりそうだ。と良平は思った。
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