70人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
翌朝、早朝から、由美香の母親は良平を連れて、散歩に出た。
青山霊園の脇を通り抜けて公園らしき場所につく。
誰だ? ゆみみんが住んでるのは新宿御苑の近くだろうって噂を流したのは。今となってはどうでもいいことだが、良平が、よく新宿御苑の周囲を歩いていたのはその噂のためで、どこが椎名由美香のマンションか目星をつけるのがひそかな楽しみだった。
「何からしたらいいかしら」
フリスビーだの、ボールだの、ユニークさの欠片のないものばかりを並べて、悩む由美香の母親にそっぽを向き、良平は寝たふりをした。
「ロビン、どうしたの? 困ったわ」
最初のコメントを投稿しよう!