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「どんどん犬らしくなっているみたいですの」
「そうそう。忠実でいられる相手がいる事は犬にとって幸せなことなんですの」
二人は良平が嬉しそうに絵を描く姿を眺めていたが、画面が切り替わるとそっとその場を離れ歩きはじめた。
「さあ。また他の方を探さないといけないんですの」
「そうそう。次はどんな姿になるのかたのしみなんですの」
ターコイズブルーは懐中時計をちらりと見て丁寧にしまい、スカーレットの後を追いかけた。奇妙な双子が新宿の雑踏に溶け込んだ。
完
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