第一話 罵り箱

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だが、Kは以前と全く変わっていなかった。 それどころか、そのやり方はより酷くなっていたのだ。 例えば、仕事先でJがKの荷物を持とうとしたとする、するとJ はそらきたとばかりに怒鳴る。 「余計なことをするな! それぐらい自分でやる!」 後で同じような場面があっても、Jは先ほどのことが頭にあるから 動けない、するとKは再び怒鳴る。 「ぼーっとするな! 社会人のクセにそれぐらいの気も利かないの か!」 これは明らかに矛盾しているが、Jは新人ということもあって反論 ができない。
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