第一話 罵り箱

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Kはこういった「矛盾している場面」を何度も作りだした。 「分からなければ質問しろ!」 「しょうもないこと聞くな!」 「勝手に荷物を片づけるな!」 「さっさと荷物を片づけろ! 知恵遅れかおまえは!」 そうして、Jは壊れ、失踪した。 辞める数日前のJは正常な判断力を失い、簡単な仕事すら 手につかなかったという。 それに追い打ちをかけるかのように、 「お前の親も相当頭が悪いんだろうな」 「まあ俺の会社は相当甘いから、お前みたいなクソでも 入れたんだろうが、俺は違うぞ」 「潰してやるからな」 と、KはJを罵り続けたのだという。
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