第一話 罵り箱

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それらのことを私はJから聞かされた。 ここで私が何かしらの提案ができればJも失踪などという手段は選 ばなかったのだろうが、 「とりあえず数日休んでくれ」としか言えなかった。 私如きが言って何とかなるようでは、Kはとっくに会社からいなく なっている。 こうして、Jは音信不通となった。 それを知ったKは非常に気分がよさそうに、 鼻歌まで口ずさんでいた。 彼は人を潰すことに、喜びを感じているのだ。 それを見ていて私は心中憤りを感じたが、どうしようもなかった。 世の中、こういう奴もいるのだ。 そう思って、耐えていた。
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