あの雲が晴れたら

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真夏の熱い戦いが遠い過去へとなりつつ、外は北西の風が吹き荒れていた。 夏で引退した運動部員たちは、各々の進路へと向かっていた。 「んで、この解を代入すれば…」 「あ、そっか!だからx=ー3なんだね」 「え?まじ!?x=3じゃねーの?」 「うそ?ユズのノートよく見せて…」 「あ、わかった左辺のここ…計算ミス!!」 「…ほんとだ」 放課後の図書室ではテスト前や受験シーズンになるとよく見る光景である。 「そういや、ユズこないだの模試どうだったの?」 「んーまあまあ…かな?けど国語はあんまよくなかった???」 「あーの十訓抄問題は結構難しかったよね?」 「全然わかんなかった」 「古典の読解もいいけど、ユズはとりあえず、漢字やりなよ?結構配点多いんだから!!」 「そーゆう葉月はどうなのさ?」 「僕?一応中央はA判定もらったよ!」 「え?葉月中央なの?俺と一緒に泉美に行こうよ!!」 「あのね~泉美は中高一貫でしょ?しかも小学校もあるんだから、お受験からしなきゃ入れないとこだよ???」 「わかってるけどさ~俺泉美で野球やりたいの!」 「東高だって野球強いじゃん」 「ん~でも東校最近甲子園出てないじゃん?」 「まぁね…けど俺今回東高C判定…微妙~!!!」 「…あのねぇ~模試の度に判定変動するの良くないよ?ヤマかけてないでさ、ちゃんと勉強しなよ?本番で外れたら最悪でしょーが!!」 「わかってるけどさ~…」 「とりあえず、点数取りたかったら、漢字練習と英単語と古文単語暗記しなよ?公式はしっかり暗記できるんだから…」 「地道なのって眠くなっちゃうんだもん…」 「じゃ、とりあえず今までの模試の復習しなよ?模試に出て来たやつはとりあえず基本的なものだろうし、頻出だろうからね。それから覚えてけば?」
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