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近づいてよくよく見たら、あの更科柚樹だった。
(…しかも、寝てるしっ!!!信じらんねぇ!!)
あろうことか、椅子に深くもたれながら無防備にも寝ていたのだ。
今日の日に合わせて整えたのであろう、色素の薄そうな茶色の短めの髪が日の光でキラキラと光っていた。
閉じられた目元のまつげは長く、通った鼻筋、桜色の唇…
中等部の3年間を男子校・男子寮で過ごし、この学校では珍しく?趣味嗜好は変わらずノーマルな俺だが、それでも惹きつけられるものを感じた。
きれいだと思った…
横目でチラチラ盗み見しつつも、俺は進路指導の先生からもらっていた過去に聞かれた質問事項が書かれたプリントを見ていた。
集中できなかった...
面接開始10分前。
準備を促す校内放送が入った。
隣りは起きる様子が無い...
(こいつ大丈夫か??)
そうこうしている間に、面接が始まったようだ。
(起こしてやった方がいいよな...)
未だ寝息を立てている、そいつの肩を躊躇しながらも2回そっとたたいた。
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