屋敷の姫

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障子の向こうに揺れる炎のおかげで今回の総会の参加者がいままでよりも数倍以上多いことに嫌でも気づかされる。 あたしは深呼吸をした。 隣で拓亜が大丈夫だ、とでもいうように背中をさすってくれている。 そう。大丈夫。 あたしは1人じゃない。 あたしたちがそれぞれの障子の前に座ると目の前の障子がするするっ、と実に滑らかな動きで開かれる。 さあ。 覚悟を決めろ。 目の前の光から目を逸らすな。
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